
5Gの時代が来た!!各社5Gのスマホが出まくっている。
とりあえず、買って試してみたいぞい。

待った!!!!
4Gスマホのときにやってきた対応バンドの確認が5Gでも必須だよ。これを怠ると、せっかく買っても繋がらないなんて羽目にもなりかねないよ。
これからは5Gバンドも考えなくちゃいけない。
バンドや対応バンドの解説については既に別記事「実践編:4G対応バンド表」で詳しく解説したので、ここでは省略します、気になる方は見てみて下さい。さらに対応バンド表の理論的根拠まで知りたければ「理論編:4G対応バンド表」をご覧ください。
これらの記事で、VoLTEの技術により3Gの必要性はますます減少しつつあり、実質考えるべきなのは4Gのみだと書きましたが、これは5G時代以前の話です。5G時代において高速・大容量通信を時代に先駆けて使用したいと思うなら、次からは5Gの対応バンドについても考えなければいけません。
2019年末から2020年初期にはミドルレンジ5Gスマホが多数発売され、2020年春までにはフラッグシップ5Gスマホが多数発売されています。まさに世は5G時代なのです。
いち早く買いたくてウズウズしている。でも、使えなかったら嫌だなと思っているそんなあなたに、この記事では日本の大手キャリア5Gバンドをみていきます。
総務省の割当結果から5Gバンドは推測できる
総務省はキャリア各社の5G基地局の敷設計画、つまりどこのキャリアがより多くのお金を5Gに割くのかにより、5Gバンドの割り当て枠の優先順位を決めています。このデータは公に示されていて、 第5世代移動通信システム(5G)の導入のための 特定基地局の開設計画の認定 (概要) において記されています。
この資料はなかなかおもしろいのでおすすめですが、ここからかいつまんで5Gバンドを推測していきます。
5G基地局増設への資金投入の多さは「ドコモ>KDDI>Softbank=楽天モバイル」の順なので、割当枠の優先順位も以上のようになっています。この結果以下のような割当になります。

結果、割当数の個数はドコモやauが合計3つで多く、SoftBank、楽天モバイルは2つになっています。なおかつ、グローバルに広く使われるバンドもドコモ、auのほうが獲得しています。
ただ、この周波数だけではわけがわからないので、これを5Gのバンドに置き直す必要があります。5Gの周波数帯は5G NR (5G New Radio : 5G新無線周波数帯)と言われていて、ここからバンド名は「n1」などと呼びます。
4G LTEバンドはB1などと呼ばれてきたのでバンドの数字の前の文字が5Gでは変わったということです。
この周波数表記をバンド表記に置き換えると以下のようになります。
大手キャリアの5G対応バンド
カテゴリ | 周波数帯 | バンド | ドコモ | au | SoftBank | 楽天モバイル |
---|---|---|---|---|---|---|
Sub6 | 3.7GHz帯 | n77 | – | ○ | ○ | ○ |
n78 | ○ | ○ | – | – | ||
4.5GHz帯 | n79 | ○ | – | – | – | |
ミリ波 | 28GHz帯 | n257 | △ | △ | △ | △ |
ここでSub6・ミリ波という聞き慣れない名前がでてきましたが、これらは5Gの種類です。
Sub6はFR1( Frequency Range 1) の呼称で、450~6000Mhzにおける5G周波数帯のことを示しており、4Gに比べれば速いですが、ものすごく速いというわけではありません。n78をグローバルで共通に使っていこうということになっています。
ミリ波(mmWave)は FR2( Frequency Range 2) の呼称で、その名の通り波長がミリメートルの周波数帯である30~300GHzにおける5G周波数帯のことを示しています。このミリ波の定義だとn257は28GHz帯であり、ミリ波には入りませんが、あくまでFR2のことをミリ波という既に存在する言葉でいっているだけなので、FR2にn257を入れて定義したため、これもミリ波と呼びます。ミリ波5Gは5Gの真髄とも言え、超高速・超大容量通信が可能となっています。(周波数が高いのと割当周波数の量が多いことから可能)
ただ、重大な欠点もあり、周波数が高いほど、波は曲がりにくくなるという物理学的性質があるので、ミリ波5Gは物陰や遠くにまで届くことは期待できません。なのでミリ波5Gは人のたくさん集まる交差点や駅前、イベント会場などピンポイントで高速化することに期待されています。よって、優先順位も比較的低いため、当面はSub6のみの対応バンドを見ていけばいいでしょう。なのでミリ波の部分は△にしておきました。
ただ、「Galaxy S20+」、「Galaxy S20 ULTRA」や「Xperia Peo」などミリ波対応スマホを購入する場合はこのミリ波バンドを気をつけたほうがいいでしょう。
SoftBankはn78非対応で微妙な結果に
今まで、SIMフリー・中華スマホといえばSoftBank回線でした。しかし、5G時代からは様相が変わってきます。SoftBankは5Gの基地局の増設数が他社より少ないため割当枠の優先順位が下がってしまいました。
結果、n78というグローバルで共通に使われていくバンドの割当を得られませんでした。
例えば、コスパ最強フラッグシップである「Xiaomi mi 10・mi 10 Pro(中国版)」はn78・n79には対応していますが、SoftBankのn77が非対応なのです。つまり5Gは一切使えないということです。なら、ドコモ・au回線かな、と思いますが、残念ながら、田舎のバンド(B19・B18/26)非対応なので、4Gが使いこなせません。
この4Gか5Gのどちらかが非対応という現象が起こることが増えたため、スマホ選びが更に難しくなりました。悲しい。ただ、n77対応のスマホもvivo iQOO 3などありますので、バンドで選べば中国版スマホも日本でSoftBankで4G・5G両対応のスマホも存在します。
現時点でグローバル版の5Gスマホはほとんどでていないので、グローバル版についてはまだ期待は持てそうなので、n77非対応の中国版スマホを購入しようとしている場合、グローバル版を待ったほうがいいかもしれませんね。
スマホ選びは更に難しくなってきているので、対応バンドを凝視して購入しましょう。この記事以降では5G対応バンドについてもスマホを紹介する際には明記していくのでご活用下さい。