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[2020年最新版] 理論編;バンド表は基礎的な物理学と総務省の統計データをもとに考えるべきだ。

対応バンドスマホ活用!
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りんご
りんご

このサイトのバンド表ってどうやって作ったの?

android君
android君

バンド表は基礎的な物理学と総務省の統計データによって作ったよ。

当サイトのバンドの理論的背景が知りたい方は必見だ。

バンドについて初心者の方は実践編で解説したので見てみてね。

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バンド表ってどうやって作ってるんだ?

2020年最新版バンド表
docomo au Softbank
700MHz帯 バンド28 △、田舎 △、田舎 △、田舎
800MHz帯 バンド18 超重要、田舎
バンド26
バンド19 超重要、田舎
900MHz帯 バンド8 超重要、田舎
1.5GHz帯 バンド11
バンド21
1.7GHz帯 バンド3 △(東名阪) ほぼない
2.0GHz帯 バンド1 超重要 超重要 超重要
2.5GHz帯 バンド41 高速通信用 高速通信用 (注意)
3.5GHz帯 バンド42 高速通信用 高速通信用 高速通信用

注意;バンド41はSoftbank,Ymobileのみ対応であり、LINEモバイルなどのほかのソフトバンク回線を用いる格安SIM会社はバンド41を対応していない。

凡例;△;あったらいいなバンド

docomo

4G

超重要;バンド1>バンド19

田舎で重要;バンド19 >> バンド28

高速通信が欲しいなら;バンド42

あったらいいな;バンド3>バンド21>バンド28

au

4G

超重要;バンド1>バンド18/26

田舎で重要;バンド18/26>>バンド28

高速通信が欲しいなら;バンド41>バンド42

あったらいいな;バンド28>バンド11>>バンド3(まだほぼない)

Softbank

4G

超重要;バンド1>バンド8

田舎で重要;バンド8>>バンド28

高速通信が欲しいなら;バンド41>バンド42

あったらいいな;バンド3,バンド11>バンド28

注意;バンド41はSoftbank,Ymobileのみ対応であり、LINEモバイルなどのほかのソフトバンク回線を用いる格安SIM会社はバンド41を対応していない。

当サイトでは以上のようなバンド表を使用して、スマホの対応バンドについて示しています。このようなバンド表はいろいろなサイトで示されてはいますが、どうしてそういった表になるのかは示されてはいません。少しもやもやしますね。

なので、私は基礎的な物理学と総務省の統計データをもとに独自に制作しました。(すごいでしょ。)

そしてこのページにその論拠を示しています。興味のある方やバンドについて詳しく知りたい方はご一読ください。

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バンドとは

バンドというのはという3GPPとかいう標準化団体が、電波を周波数ごとに分けて名前を付けただけのものです。

これは、標準化せずにスマホ会社とか通信会社がぐっちゃぐっちゃの名前を付けたら、グローバルに企業が展開しにくくなってしまったりするので、つけているだけであり、特にユーザー側が気にするようなものではありません。

つまり、700MHzのこの部分はBand 28と呼びますよーと決めているだけなのです。別にここをリンゴでも、みかんとでも呼んでもいいわけですが、皆で、28と呼びましょうと決めただけなのです。

そして、スマートフォンはこの電波を利用して、電話やモバイル通信をしているわけなので、電波を受信する必要があります。しかし、この世界には多数の通信事業者があり、それぞれが違った電波の周波数帯、即ち、バンドを用いてサービスを提供しているので、スマートフォンがすべての電波(バンド)を拾うことは困難なのです。

そこで、スマホメーカー各社は、それぞれの国と地域に合わせた電波(バンド)を拾えるスマホを提供することで、様々なバンドを拾えるように対応しているわけです。

iphone 11 PROは3モデル展開。
参考;Apple

例えば、iphoneの場合は以上のように地域別に三モデル存在し、それぞれが拾える電波(バンド)が違うわけです。なので、アメリカで買ったiphoneが日本でも快適に使えると思ったらそうでもない場合があるわけです。

その、スマホごとに拾える電波(バンド)を対応バンドと呼び、ユーザーに分かりやすいように、技術仕様に記してあります。

対応バンドの表示の例。
参考;Xiaomi mi note 10の対応バンド

この対応バンドにお使いの通信事業主の使う電波(バンド)があればその電波を拾えるということなのです。

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広いバンドと速いバンド

android君
android君

ここでは簡単な物理の話をするよ。

前の章でバンドは電波だと説明しました。電波というのは波の一種なので、まずは波の性質について考えてみましょう。

身近な懐中電灯の光も波です。携帯電話の使う電波も波です。懐中電灯の光は扉とかで閉ざしてしまうと、届きません。しかし、スマホは扉一つや二つくらいでは平然と電波を拾うことができます。

同じ、波なのになんでこうも違うのでしょう?

実は「周波数」が違うのです。

周波数は波の振動する頻度を表しており、大きいほど、振動が激しい波になります。電波と懐中電灯の光のどちらが、周波数が大きいのかというと圧倒的に懐中電灯の光のほうが大きいです、つまり振動の激しい波になります。

周波数が大きいほど障害物をよけにくい

この図からもわかるように、周波数の大きい波ほど、波の間隔も狭くなります、上のイラストのように狭いほど波は広がりにくいので波は障害物にぶつかるとその先に回り込めなくなります。逆に、周波数の小さい波は、波の間隔も広く、波は広がりやすいので、障害物があっても回り込んで波は伝わりやすいです。

つまり、周波数が小さいものほど痒いところにも波が届くわけです。

なら、携帯の電波はすべからく、周波数の小さいものにすればいいじゃんと思うかもしれませんがそうはいきません。

周波数の大きいものにもメリットがあるのです。

そもそも波に情報を詰めているからこそ、携帯の電波は意味があるのです。なので、波が届いたとしても、情報がなければ、意味がありません。そこで、私たちは電波に情報をのせてやり取りしているわけですが、どうやってやっているかというと、波の形をいじって送っているわけです。

周波数の変調方式は二通りある

上のように、単調な波を大きさ(振幅)や周波数を変えて、データを送っているのです。

(上の画像は簡単なラジオ放送であるAM,FMの場合であり、4G,5Gはもっと複雑ですが、基本的な考え方は同じです。ちなみに、こういう風に波を変えることを変調といいますが、AMラジオでは波の大きさを変える、「振幅変調」、FMラジオでは周波数を変えて送る、「周波数変調」を用いて、通信をしています。)

波の大きさや周波数を変えてデータを送っているという都合上、変えることのできる波の数が多いほど、波にのせることのできるデータの量も増えるわけです。

波の数は周波数が大きいほど多く、データの載せられる量が多いということは回線速度が速いということですから、周波数が大きいほど、回線速度が速いというわけです。

つまり、まとめるとこのようになります。

周波数 広がりやすさ 回線速度
広がりやすい 遅い
広がりにくい 速い

各社バンドが複数ある理由

この知識を持ったうえで、各社のバンド表を見てみると、はっとすると思います。

4G
docomo au Softbank
700MHz帯 バンド28 △、田舎 △、田舎 △、田舎
800MHz帯 バンド18 超重要、田舎
バンド26
バンド19 超重要、田舎
900MHz帯 バンド8 超重要、田舎
1.5GHz帯 バンド11
バンド21
1.7GHz帯 バンド3 △(東名阪) ほぼない
2.0GHz帯 バンド1 超重要 超重要 超重要
2.5GHz帯 バンド41 高速通信用 高速通信用 (注意)
3.5GHz帯 バンド42 高速通信用 高速通信用 高速通信用

注意;バンド41はSoftbank,Ymobileのみ対応であり、LINEモバイルなどのほかのソフトバンク回線を用いる格安SIM会社はバンド41を対応していない。

凡例;△;あったらいいな

りんご
りんご

なるほど、複数のバンドを提供しているのは、大きい周波数も小さい周波数の両者にメリットがあるからなんだね。

ちなみに、上の表のMHzというのは、周波数の単位です。あまり、気にする必要はなく、数字が大きいものほど、周波数が大きいということです。

当サイトで、バンド表をバンドの数字順に並べるのではなく、周波数の順番に並べているのは、初めに述べたように、バンドの名前自体は3GPPというお偉いさんがつけただけで特に「物理的な」意味はないので、波の性質がわかる人に分かりやすいようにするためなのです。いいでしょ。

ただ、周波数だけで、これは重要だねというわけにはいきません。各社どのバンドに気合を入れるかは方針によって違うため、その方針を考えなければいけないのです。

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数字で見るバンドの重要性の順

各社の方針といっても、そんなものはどこで見るんだと思われるかもしれませんが、実は総務省が公開しています。総務省は電波を各会社に割り当てる業務をしているため、その電波の利用状況を監査しており、ネット上に公開しています。(参考; 令和元年度 携帯電話及び全国BWAに係る 電波の利用状況調査の評価結果の概要(案)

当サイトではこの総務省の最新のデータをもとにして、各社のバンドの重要性の順を決めております。ほかのサイトではいつの情報かわからない文字情報で作られていますが、当サイトは完全に統計に基づいて、重要性を決めております。ご安心ください。

なお、ここからは、総務省のデータを筆者がまとめた表とそれをもとにした考察を記していきます。総務省の統計は2019年11月のものであるので、2020年最新版としています。

超重要バンドの決め方

各バンドと人口・面積カバー率
docomo au softbank
LTE形式 周波数帯 バンド 人口% 面積% 重要性 人口% 面積% 重要性 人口% 面積% 重要性
FDD-LTE 700MHz帯 バンド28 55.4% 22.4% △、田舎 81.4% 36.3% △、田舎 70.1% 19.7% △、田舎
800MHz帯 バンド18 99.0% 57.7% 超重要、田舎
バンド26
バンド19 99.6% 56.8% 超重要、田舎
900MHz帯 バンド8 99.7% 62.6% 超重要、田舎
1.5GHz帯 バンド11 45.1% 3.6% 90.2% 26.4%
バンド21 89.9% 18.7%
1.7GHz帯 バンド3 94.6% 35.0% △(東名阪) 88.3% 17.1%
2.0GHz帯 バンド1 98.1% 34.7% 超重要 94.6% 23.7% 超重要 95.1% 25.9% 超重要
TD-LTE 2.5GHz帯 バンド41 97.5% 38.6% 高速通信用 86.8% 13.5% 高速通信用 (注意)
3.5GHz帯 バンド42 74.6% 10.4% 高速通信用 70.9% 11.7% 高速通信用 56.8% 5.2% 高速通信用

このデータ表は、各バンドの通信事業主ごとの人口カバー率、面積カバー率を示しています。

人口カバー率からは、各通信事業者がどのバンドをメインとして使っているかがよくわかります。人口カバー率が上位二つのものを、超重要バンドとしています。

超重要バンド
  • docomo ; バンド1>バンド19
  • au ;バンド1>バンド18/26
  • Softbank ;バンド1>バンド8

ただし、バンド41はauはグループ会社のUQがポケットWiFI用のWiMAXとして運用しているもので、au回線であれば使えますが、2.5GHzという高い周波数帯であるため、先述の通り広がりにくく、室内などではこのバンドをスマホは拾いにくいため、超重要バンドとしていません。後述の高速通信用としています。

正直言うと、超重要バンドは一つあるだけで、95%の人口カバー率を誇るので、ある程度の運用は可能となります。とりわけ、バンド1はほぼすべてのスマホが対応しているので、田舎バンドや高速通信がいらないよという場合には何も気にせず適当にスマートフォンを買っても問題はないということです。

なお、以下の基地局数データも補助資料として用いました。実際に人口カバー率が高いものほど、基地局数が多いことが分かります。なお、△(あったらいいなバンド)の重要性の順もこの表をもとに作りました。

各バンドと基地局数
キャリア docomo au softbank
LTE形式 周波数帯 バンド 基地局数 % 重要性 基地局数 % 重要性 基地局数 % 重要性
FDD-LTE 700MHz帯 バンド28 13373 6% △、田舎 12639 6% △、田舎 12135 5% △、田舎
800MHz帯 バンド18 73674 15% 超重要、田舎
バンド26
バンド19 70428 31% 超重要、田舎
900MHz帯 バンド8 54809 24% 超重要、田舎
1.5GHz帯 バンド11 10532 5% 8502 4%
バンド21 28311 12%
1.7GHz帯 バンド3 18994 8% △(東名阪) 14685 7%
2.0GHz帯 バンド1 74124 32% 超重要 49415 24% 超重要 42521 19% 超重要
TD-LTE 2.5GHz帯 バンド41 43503 21% 高速通信用 65254 29% 高速通信用 (注意)
3.5GHz帯 バンド42 24547 11% 高速通信用 18158 9% 高速通信用 27011 12% 高速通信用

このデータ表は、各バンドの通信事業者ごとの基地局数と全体に占める割合を示しています。

田舎バンドの決め方

田舎バンドの決め方は先ほどの表の面積カバー率を参考にしています。面積カバー率が高いものと周波数の低いバンド、すなわち、700MHz帯のバンド28をを田舎バンドとしています。

田舎バンド
  • docomo ; バンド19>バンド28
  • au ;バンド18/26>バンド28
  • Softbank;バンド8>バンド28

なお、補助資料として以下の不感人口の解消数を利用しました。実際に田舎バンドのうちの一番重要なバンド(各社はプラチナバンドと呼んでいます)は不感人口、今まで電波の繋がらなかった人口)を解消するために用いられているのです。まさに田舎バンドというわけです。なお、バンド28は去年までは各社基地局数が少なかったのですが、この1年でほぼ倍増しており、今まではほぼ無視してもいいバンドだと思っていましたが状況は変わってきました。

各バンドと不感人口の解消数と増設した基地局数
docomo au softbank
LTE形式 周波数帯 バンド 不感地域人口の解消数 増設した基地局数 重要性 不感地域人口の解消数 増設した基地局数 重要性 不感地域人口の解消数 増設した基地局数 重要性
FDD-LTE 700MHz帯 バンド28 0人 6208 △、田舎 0人 5859 △、田舎 4人 7362 △、田舎
800MHz帯 バンド18 662人 5951 超重要、田舎
バンド26
バンド19 1089人 2394 超重要、田舎
900MHz帯 バンド8 536人 6445 超重要、田舎
1.5GHz帯 バンド11 0人 -12 17人 2717
バンド21 0人 2122
1.7GHz帯 バンド3 0人 1620 △(東名阪) 17人 143
2.0GHz帯 バンド1 0人 4103 超重要 4人 1029 超重要 88人 3181 超重要
TD-LTE 2.5GHz帯 バンド41 3323 高速通信用 2260 高速通信用 (注意)
3.5GHz帯 バンド42 0人 10415 高速通信用 0人 12195 高速通信用 0人 13304 高速通信用

このデータ表は各バンドの通信事業者別の2018年から2019年にかけての1年間で解消した不感人口の解消数、及び、一年で増設した基地局数を示しています。

高速通信用のバンド

周波数が高いバンドほど回線速度が速いことはすでに述べました。このバンドを高速な通信を可能とするキャリアアグリゲーションという技術を用いて高速通信をすることが可能です。

auのキャリアアグリゲーションの例。
参考;au

キャリアは通信で使われるデータの乗った波のことで、アグリゲーションは集約するという意味なので、キャリアアグリゲーションはバンドを束ねて高速通信を行うということです。

これを行うには、新たに各社が強化しつつある、3.5GHzというとても周波数の高いバンド42(実際に最も基地局数を増やしている)や同じく2.5GHzと大きいバンド41に対応している必要があります。

これらのバンドは実は違った形式のLTE(Long Term Evolution、ほぼ4Gと同じ意味)で、TD-LTEといいます。

FDDLTEとTDLTEの違い

LTEには、FDD-LTE( Frequency Division Duplex Long Term Evolution )とTD-LTE( Time Division Long Term Evolution )の二種類があります。

FDD-LTEは上り(アップロード)と下り(ダウンロード)に別々の周波数を用いる通信形式で、世界中で主に使われている、4Gの通信形式です。こちらのメリットは周波数を分けているので混信の心配が低いことですが、デメリットは一般に上りのほうが下りより使う頻度が少ないので周波数帯をフル活用できないということです。

対して、TD-LTEは上りと下りを両方とも同じ周波数でシェアして用いる形式で、シェアするので周波数帯をフル活用できより速い通信が可能です。

主に中国で使われてきましたが、(この形式が違うことから、中国版のスマホが日本では電波を拾いにくくなっています。)日本では2.5GHz帯のBand41が主にモバイルルーター用(WiMAXやソフトバンク4G)として使われてきましたが、現在では3.5GHz帯のバンド42の基地局を1万基以上増設しつつあり、各社ともにTD-LTEに注力しています。

今まで、Band 42はたいして重要でないバンドでしたが、今年あたりからは基地局数も充実してきており、人口や面積カバー率も増えてきており重要なバンドになってきています。特に都心では有効活用できることでしょう。

なお、Softbankのバンド41はSoftbankとYmobile以外のソフトバンク回線では使うことができないので注意しましょう。つまり、Softbank回線の格安SIMは他社に比べると高速通信がしにくい可能性があるということでもあります。

高速通信バンド
  • docomo ; バンド42
  • au ;バンド41>バンド42
  • Softbank;バンド41>バンド42

以上が統計と簡単な周波数に関する性質から導き出した、対応バンドに関する話でした。参考になると幸いです。

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