
800万画素が嫌ってどういうことさ?

最近のスマホは超広角カメラがついてることが多いんだけど、大抵、800万画素なんだよ。
もう、うんざりなんだ。超広角カメラの性能が良くて安いスマホがほしいんだ。

それは、わかったよ。で、どうやって調べるの?

ビッグデータを活用するんだ。プログラミングで、スマホ情報サイトをクローリングして超広角レンズの解像度のデータを取得したよ。
この記事では世界中に存在するすべてのスマホから超広角カメラが高解像度のスマホを網羅しコスパ最強の機種を決定する。
世の中の安い多眼スマホの大半は800万画素で微妙
世の中には安いスマホ多眼スマホは多数存在しますが、その大半は800万画素です。実際、筆者も2019年最もコスパのいいスマホ「Xiaomi Redmi note 8 Pro」を持っていますが、やはり800万画素超広角カメラの性能の低さには納得できませんでした。
OPPO Reno 10X Zoomの800万画素超広角 ぼやぼや Pixel 3のメインカメラ 綺麗に撮れている
超広角カメラが800万画素だと単純に画素数が低いだけでなく、イメージセンサーの大きさが小さいため、夜景撮影などの低照度撮影が苦手になります。夜景撮影の際には雄大な景色をメインカメラではなく、超広角カメラを用いたいときは多いのですが、800万画素超広角カメラではぼやぼやの夜景しか撮れません。
例えば、上の写真ではメインカメラで撮影したPixel 3ではきれいに撮れますが、諏訪湖の全景は撮れません、超広角カメラを用いれば諏訪湖の全景を撮影可能ですが、800万画素で夜景性能が低い為、ぼやぼやしてしまいました。これじゃあ意味がないよ。ちなみに、超広角写真はOPPO Reno 10X ZoomというOPPOのフラッグシップスマホを用いているので、チューニングが甘いなどはありえません。
そんな800万画素超広角カメラに嫌気をさしている人は大勢いるでしょう。そんな超広角を求めるものの代表として、筆者がビッグデータとプログラミングを用いコスパ最強の超広角カメラスマホを見つけ出します。
方法は簡単です。スマホ情報サイトに掲載されている全ページに対し、Pythonで制作したクローラーを用い情報を収集し、Mongo DBに格納します。そこから、JSON Line形式で出力し、JSON、CSV形式に順次変換し、Excelで処理しました。なお、データは2020年3月に収集しました。
【追記】2020年5月に筆者が面白いと思った機種を追加しました。
それ以降に良い超広角スマホがでれば追記していく予定ですが、何かいい超広角スマホを見つけた場合コメント欄に書いてくれると嬉しいです。

どこが、簡単なんだ。
要するにプログラミングで頑張ったってことやろ。
統計データからみる超広角カメラの解像度の比率
まずは、得られた統計データからいかに800万画素超広角スマホが世の中に多いのかを見ていきます。

このような比率になっており、超広角スマホ全266機種のうち約半数の132機種が800万画素超広角カメラを用いています。
表にするとこうなります。
画素数 | 200万画素 | 500万画素 | 800万画素 | 1200万画素 | 1300万画素 | 1600万画素 | 2000万画素 | 4000万画素 | 4800万画素 |
機種数 | 3 | 20 | 132 | 22 | 25 | 43 | 17 | 2 | 2 |
やはりずば抜けて800万画素が多いですが、1600万画素が次に多いです。中には、4800万画素とかいうものすごく画素数の高い超広角カメラもあります。
今回の記事では1200万画素以上の111機種全機種を見ていき、その中で最もコスパの優れたスマホ、つまり超広角スマホ全266機種から「コスパ最強超広角スマホ」を決定します。
ハイエンド超広角カメラスマホ
ただ、コスパ最強スマホを決める前に2000万画素~4800万画素の超広角レンズを搭載したハイエンドスマホを見ていきます。これらのスマホを購入すれば物凄く良い超広角写真が撮れることでしょう。
4800万画素超広角スマホ

4800万画素という恐ろしいほど高い解像度の超広角カメラを搭載した機種は2機種あり、「OPPO Find X2 Pro」と「AQUOS R5G」の2機種です。
OPPO Find X2 Proは中国スマホ四天王の一角のOPPOのフラッグシップスマホでDxoMark1位をとっていますが、残念ながら価格も10~14万円と超高額になっています。とてもコスパがいいとは言えません。
AQUOS R5GはSHARPのフラッグシップスマホですが、メインカメラよりも超広角カメラの方を解像度を良くするという奇異な選択をしています。8K撮影をSHARPはこのスマホで推していますが、どうやらこの超広角カメラで撮影するようです。この超広角カメラにはOIS(光学式手ブレ補正)がついていないので、8K動画撮影時に手ブレが発生してしまうでしょう。結局の所、目玉の8Kは手ブレで微妙なので、OISの使える4K以下での撮影がメインとなることでしょう。SHARPはカメラのチューニングが弱いのでそもそもカメラスマホとしてはおすすめできません。価格も13万円とコスパ最悪です。
【追記】

このあと、OnePlus 8 ProがIMX 586という2019年度はメインカメラに搭載されるレベルのイメージセンサーが搭載されました。OPPOファミリーであるOnePlusがFind X2 Proの技術を流用し作ったのでしょう。個人的には、値段的にもQi充電がついてるという点でもOne Plus 8 Proのほうがfind X2 Proよりおすすめです!超広角でも夜景が撮れることをうたっているので、期待できるでしょう。
4000万画素超広角スマホ

4000万画素超広角スマホは2機種で、Huawei Mate 30 ProとHuawei Mate 30 Pro RSです。Huawei Mate 30 ProはHuaweiのフラッグシップスマホで、 Huawei Mate 30 Pro RSはポルシェとのコラボモデルです。前者は現在約8万円で、後者は25万円です。コスパ最高とは言えませんが、Huaweiの本気のフラッグシップがほしいのであれば最高に良いスマホです。
この4000万画素超広角カメラはシネマカメラと呼ばれていて、動画撮影用に使われます、動画撮影時には強力な電子手ブレ補正を実現するために、この広い画角をクロップして実現します。OISより強力な手ブレ補正が期待できるのです。ただし、その代わり、このシネカメラは超広角としては画角が狭いのが欠点です。
【追記】

Huawei P40シリーズが発表されました、これらもMate 30 Pro同様の超広角カメラであるシネマカメラを搭載しています。その他のスペックも向上したので現在はこちらを買う方が良いでしょう。P40 Pro、P40 Pro+に搭載されています。
2000万画素超広角スマホ
これらの17機種の2000万画素超広角カメラスマホの中でコスパの高いスマホは2機種です。「Xiaomi Mi 10 Pro」と「Xiaomi Mi Note 10シリーズ」、「Huawei Mate 20シリーズ」です。
Xiaomi Mi 10 Pro ~世界最強コスパフラッグシップ~

Xiaomi Mi 10 ProはXiaomiのフラッグシップスマホでDXOMARKで一位を取得しています、目玉は1億800万画素メインカメラです、中国では既に8万円で発売されており、即座に完売したそうです。グローバル発表は2020年3月末で、日本での発売もまず間違いないでしょう。日本で何円で投入されるのかが最も気になるところです。
Xiaomi Mi Note 10 ~ミドルレンジカメラスマホ~

Xiaomi Mi Note 10はXiaomiのカメラ特化型スマホです、こちらもXiaomi Mi 10と同様の1億800万画素メインカメラを搭載し、超広角カメラも2000万画素と高解像度です、しかし、SoCがSnapdragon 730Gと抑えめです、ただその分コストダウンに成功し、AliExpressでは約4.3万円で販売しています。また、日本でも少し高いですが販売しています。
中国版の名前はXiaomi CC9 Proで性能は対応バンド以外全くおなじです、中国版の分だけ安く約4.1万円で購入可能です。ただ、Google Playを自力で入れる必要はあります。そういった面も楽しめるならおすすめです。
Huawei Mate 20 ~型落ちで安くなった伝説のフラッグシップ~

Huawei Mate 20シリーズは2018年のHuaweiのフラッグシップスマホでMate 30の型落ちにはなりますが、その分安いのと、トランプ制裁前なのでGoogle Play Storeが安定稼働するというメリットもあります。最安で3.2万円です。こちらはコスパ戦争に参戦できそうな安さです。
Pro版は湾曲ディスプレイ・メインカメラの強化・防水などスペックは上昇しますがその分価格も上昇し約5万円となっています。しかし、いくら型落ちとはいえHuaweiのフラッグシップスマホがこの価格で買えるというのはお買い得でしょう。
Huawei Mate 20 XはMate 20の大型モデルです、なんと7.2インチという超大型のスマホです。大型スマホ好きにはたまりませんね。なんと、約5万円で売っていました。安すぎる。なお、Mate 20 Xは5Gモデルも発売しています。
他にも2000万画素の機種も存在しますが、ZTE、SHARP、MEIZU、Cubotなどスマホメーカーとしては三流なので、超広角カメラのチューニングも微妙でしょう。おすすめはできません。
超広角コスパ最強スマホ決定戦
ここからは1600万画素~1200万画素のスマホを見ていきます。これまでの高解像度スマホは本体の性能もなかなか良かったのですが、値段もするのでコスパ最強とは言い難かったです。(型落ちのMate 20を除く)しかし、この1600万画素以下の超広角スマホではコスパが優れた機種が多数存在するので、ここからはコスパを最優先に見ていきます。よって、Huawei P30やGalaxy S10などのハイエンド機種は除きます。最新機種は型落ち機種に比べ価格が高いのは当然なのでそれも考慮して選んでいきます。基本的に3万円付近の機種をコスパ機種とします。さらにカメラのAI処理が弱いMotorola・LGなど世界シェアの低いスマホ会社はきりがないのですべて除きます。ただ、一覧表は残すのでご活用下さい。
1600万画素超広角スマホ
1600万画素スマホからは4機種がランクインです。この1600万画素の超広角カメラはHuaweiのミドルハイ~ハイエンドスマホに採用されることが多いみたいですね。やはり、全機種洗い出すと各社の戦略が分かり面白いです。まずはHuaweiの三機種から見ていきます。
Huawei Enjoy 9s ~安さだけなら一番~

Huawei Enjoy 9sは様々なモデルがあり、欧州版のHuawei P Smart+ 2019やHuawei Maimeng 8などがありますが、入手性が最も高いのは、Huawei Enjoy 9sなので、こちらを中心に見ていきます。
超広角は1600万画素と高いのですが、それ以外はKirin 710とSoCは控えめな性能でAntuituは約15万点、液晶でバッテリー容量は3400mAhと微妙ですが、なんといっても価格が素晴らしく、2.2万円です。素晴らしい!!現在、GearBestで最も安く販売していました。これは高性能超広角カメラ搭載機種では最も安いです。インターナショナルバージョンと書いてあるのでGoogle playは入っているでしょう。(多分)
なお、Huawei P Smart+ 2019は海外では大変安く売っていて、Amazon UKなどから個人輸入すれば、約2万円でした、興味ある方はどうぞ。海外からのAmazon個人輸入は筆者はアメリカから画集を買ったことがありますが、そこまで大変ではなかったです。箱はぼこぼこでしたが…。Maimeng 8はメモリが6GBに増加したモデルですが、売っているところが、Cest Shopとかいうよくわからないところでした。199.99ユーロです。まぁ、Gear Bestが最も安心して買え、安いのでEnjoy 9sを素直に選んだほうがよさそうです。
Huawei nova 4

つづいてはHuawei nova 4です。ハイエンドコスパシリーズのnovaシリーズは日本にも複数機種投入されており、nova 3とnova 5Tは来ましたが、このnova 4は来ていない機種です。中国版ですが、制裁前の機種なので簡単にGoogle Playを導入することが可能です。novaシリーズなので、SoCはのKirin 970を搭載しており、Antutuは25万点と高めです、インカメもパンチホール型で完璧です。ただし、液晶で背面指紋認証です。残念・無念。値段はGizTopで249ドルでした。安いですねぇ。
Huawei Honor Magic 2 ~ビッグデータが見つけた秘宝~

つづいては、Honor Magic 2です。これはビッグデータを駆使しないと見つけれませんでしたね。こんな変態スマホいつ発売されていたんだ??なんとスライド型インカメを搭載しており、インカメは三眼です。スライド型なので邪魔なノッチもなく全画面を堪能できます。その全画面ディスプレイは有機ELなので大満足でしょう。ただ、インカメは3眼でも、超広角カメラはなく、ポートレートカメラが二つのようです。これにより、高性能なポートレート自撮りが取れるだけでなく、3D顔認証も可能となっています。それだけでなく、画面内指紋認証にも対応しているのです。両方つかえて完璧です。
アウトカメラは1600万画素のメインと1600万画素の超広角カメラに2400万画素の白黒ポートレートカメラが搭載されています。SoCはKirin 980でAntutuは37万点です。さらにB19にも対応しているので、SoftBank回線のみならずDocomo回線でも利用可能です。気になる価格ですがAli Expressで2.9万円でした。こんなに完璧で安すぎでは??
ビッグデータのおかげでこんな素敵なスマホを見つけられて大変うれしいです。
Xiaomi Mi 9 ~型落ちしたフラッグシップ~

つづいては、Xiaomi Mi 9です。Xiaomi Mi 9はXiaomiの2019年のフラッグシップスマホですが、後継機種である、Xiaomi Mi 10が発売されたこともあり、安くなっています。
スペックは有機EL、画面内指紋認証、4800万画素メインカメラ、1600万画素超広角、望遠、Snapdragon 855、ワイヤレス18w充電とフラッグシップスマホなので完璧な性能となっています。型落ちになったこともあり、3.5万円になっていました。この販売ショップの下のほうに売っていました。安すぎですよね。Global版なので、Google Playも初期装備ですね。
1300万画素超広角スマホ
1300万画素スマホは複数機種ありますが、 コスパ機種は4機種です。まずはXiaomiから。
Xiaomi Mi 9T(Redmi K20) ~あまりにも有名なコスパスマホ~

Xiaomi Mi 9Tはコスパ界隈で有名だったスマホなのでご存じの方も多いことでしょう。このスマホは、ポップアップカメラにより完全全画面ディスプレイを実現しています。それだけでなく、4800万画素メイン、望遠、画面内指紋認証、有機ELと完璧ですが、SoCはSnapdragon 730と控えめです。 超広角も1300万画素と抜かりないので完璧です。 当初からコスパ最強とうたわれていましたが、時間がたつにつれやすくなり、今では2.8万円にまで下がりました。安すぎでは?Ali expressとGearBestで安く販売していました。今が買い時ですね。中国ではRedmi K20と呼ばれています。
Xiaomi Mi 9 SE ~小型モデルでいい超広角スマホ~

Xiaomi Mi 9 SEはXiaomi Mi 9の小型版です。小型化に伴いスペックもダウンしています。超広角は1600万画素から1300万画素に減少し、ワイヤレス充電は消え失せSnapdragon 855から712にスペックダウンしております。しかし、有機EL、画面内指紋認証は健在で、画面サイズは5.97インチと小型です。中華スマホでこのスマホのサイズ感はなかなかないので稀有な存在になっています。GizTopで約3万円でした。小型スマホに高性能な超広角カメラが欲しい方にはおすすめです。
vivo iQOO ~型落ちして安くなったフラッグシップ~

中国スマホ四天王の一角vivoからはiQOOがコスパ最強超広角スマホに選ばれました。iQOOはvivoのコスパフラッグシップモデルです。フラッグシップスマホなので、SoCはSnapdragon855を搭載し、antutuは42万点です。ただ、メインカメラの画素数は1200万画素と控えめです。しかし、画面内指紋認証・有機EL・44w超高速充電と満足な性能をしています。後継機種、iQOO 3が登場しているため、型落ちとなり大変安くなっています。驚異の299ドルでGizTopで販売していました。最高ですね。
1200万画素超広角スマホ
1200万画素の超広角カメラを搭載するスマホは多いうですが、Samsungのフラッグシップ、appleのフラッグシップ、SONYのフラッグシップに搭載されており、コスパのいい機種は一機種しかありませんでした。
Galaxy A51 ~筆者が購入したスマホ~

SamsungからはGalaxy A51が唯一超広角コスパスマホに入りました。このスマホの特徴は、4眼でしょう。この超広角スマホ対決においてただ一つの4眼構成です。ただ、望遠を含めた四眼構成ではなく、マクロ・ポートレートを含めた4眼構成です。しかしこれらがよくある200万画素おまけレンズではなく500万画素と大きいので期待が大です。今まででの中でも最もデザインが優れているスマホです(当社比)。ただ、SoCが Samsung Exynos 9611 で、Antutu 18万点と控えめです。ただ、有機EL・画面内指紋認証・パンチホールインカメも搭載しており、完璧です。価格は3.3万円でした。安いです!!
筆者はこのスマホを購入しました。デザイン性が決め手でもあります。詳しくはこの記事にて。
実際に使いましたが、超広角夜景は無理でしたが、超広角によるSuper Steadyという超強力な手ブレ補正が使えるのでとても便利です!これは1200万画素超広角の為せる技です。800万画素ではクロップしたら画質が下がってしまいます。
さぁ、最もコスパのいい超広角スマホを決定しよう!!
さて、ここまで合計9機種の3万円付近のスマホを見てきました。整理すると以下のようになります。
さて、皆さんはどのスマホがコスパ最強だと思いましたか?筆者は個人的には、Galaxy A51を推していますが(買ったしね)、やはりコスパといったらスペックを見ないといけないので、Antutu 18万点では納得がいかないでしょう。ちなみに最安は2.2万円のHuawei Enjoy 9sですが、ほかのスペックが微妙です。
スペックを冷静に見ると、勝者は「Huawei Honor Magic 2」でしょう。こちらはスライド式三眼インカメ・全画面有機EL・画面内指紋認証・ 3D顔認証・1600万画素超広角・Antutu37万点・B19対応とまさに完璧で、なななんと2.9万円!!安すぎでは?
このスマホのことを筆者は知らなかったので、ビッグデータを活用したおかげで見つけられました!!ビッグデータ最高!!
ここからは個人的な感想ですが、やはり型落ちフラッグシップを除くと6機種しかこの世界に高解像度の超広角カメラを付けたコスパスマホはないわけです。(まともなメーカーで)
いかに、多くのコスパスマホたちが、800万画素に超広角カメラの性能を落としているのかが改めてわかります。
あと、OPPOさんに言いたいことがあります。OPPOさんは超広角をケチりすぎです。最近出たフラッグシップスマホFind X2シリーズ以外一機種も搭載してないですよね。これってどうかと思いますよ。Realmeに至って一機種もないのです。
もっと、超広角カメラの画素数の重要性を世の中に広めたいと思う筆者でした。