
ペリスコープってなんだい?

プリズムで光を曲げ、薄いスマホに大きい望遠レンズをはめ込む技術さ。
中国ではXiaomi Mi 10 青春版として発表

中国では4月末にMi 10 青春版が発表されました、これは、グローバルではおそらくMi 10 Lite Zoomとして発売されます(発表会で示された写真でのウォーターマークから推測できます)。Mi 10 Liteは既にグローバル発表され、日本でも発売が決定されているので、それの望遠強化版が発表となりした。望遠のないモデルは発表されなかったので、熾烈な中国市場では戦えないというXiaomiの戦略でしょう。
分体式OIS搭載光学5倍ペリスコープ搭載

このスマホの特徴は、ずばり、光学5倍ペリスコープカメラ搭載です。このミドルレンジ帯に光学5倍ペリスコープカメラを搭載するのは画期的です。Huaweiであれば、P40には載せず、P40 Proから、OPPOもFind X2には載せず、Pro版からなので、Mi 10には望遠が乗ってないのに、Mi 10 Lite Zoomにはのるというのは、ある意味不思議です。このスマホの意義は2点と筆者は推測しています。

一つは「光学5倍ペリスコープ」の実験搭載機種という位置づけです、XiaomiはMi 10 Proにおいて、ペリスコープ望遠カメラを搭載しなかったことについて、インタビューにて、F値の低いレンズを搭載するほうが(詳しくは、別記事「Xiaomiがmi 10 Proにペリスコープを搭載しない理由」をお読みください)良いとしていましたが、今回搭載しました。これは、ペリスコープの技術の強化と市場の動向を見るべくつくられたスマホと筆者は推測しています。Xiaomiは108MPカメラも先にMi Note 10で出したりしているので、フラッグシップに載せる前の実験だと考えられます。
2点目は差別化でしょう。5倍光学望遠がないと、このスマホは昨今の同価格帯スマホとの差別化が厳しいというXiaomiの判断です。メインカメラは4800万画素ですが、もはや、ほとんどのミドルレンジスマホが4800万もしくは6400万画素搭載で面白みがありません。もちろん、超広角を強化するというやり方もありますが、SamsungのSuper Steadyのように超広角を用いた強力な手ブレ補正をまだXiaomiはおそらくまだ開発完了してないので、搭載するメリットは小さいでしょう。そこで、メリットを実感しやすい、望遠で攻めるのは得策でしょう。
このペリスコープカメラにより、光学5倍望遠、ハイブリット10倍望遠、最大50倍望遠に対応しています、OISは分体式OISに対応しており、プリズム部分と鏡筒内の両方で強力に手ブレ補正をするようです。この、ハイブリット10倍、最大50倍というのは、Mi 10 Proの非ペリスコープの光学3.8倍望遠レンズと同じです。Mi 10 ProはF値の小さいレンズと、2つの望遠レンズをリレー方式で繋いで使い望遠性能を担保しており、Xiaomiはこちらの方式のほうが優れていると豪語していました。実際にどちらがよいのかは知りたいところではあります。

こちらが、Xiaomiが発表会で公開した光学3倍望遠のP40との比較です、Mi 10 Lite Zoomのほうが最大倍率が高く撮れていることがわかります。

どこから拡大しているかを見ると、こんなに小さいところを切り出しているので、相変わらず驚かされます。(実用的かどうかはさておき、あと画角的に0.6倍超広角との比較のように見えます)

この、5倍光学ペリスコープ以外のカメラはいたって普通のミドルレンジのスマホという印象を受けます。スペック表にはどのイメージセンサーか記載されていませんがOmniVisionのOV48Bを採用しているという情報をKiMobileや微博で見ましたので、その可能性は高そうです。ここは、IMX586を採用しないのでケチケチポイントと言えるでしょう。超広角カメラも微妙な性能で800万画素、マクロレンズは画素数すら記載がなくなりました。おそらく、最近、Xiaomiが搭載している、500万画素ではなく、200万画素なのでしょう。
他にも青空を夕方にするモードや人間を増やせるモードなど多彩な見栄えのいい(ただ、おそらくあまり使わない)モードも搭載しています。これは若者向けのスマホ所以ですね。
有機EL、5G対応などその他のスペックも完璧

カメラ以外のスペックもなかなか優れています。最も、目に引くのは、Samsung製の有機ELディスプレイの採用です、5倍ペリスコープだけでなく、ディスプレイにも力を入れています。6.57インチの有機ELディスプレイで解像度はFHD+です。有機ELは特に夜間での使用時や、Always On Display、画面内指紋認証で恩恵を得られるので素直に嬉しいところです。
中国での発売なので、5G対応です、Xiaomiは4GスマホはRedmi K30 4G以来中国では出していないので、もう、4G端末を中国国内では新発表しないのかもしれません。Snapdragon 765Gでの5G対応のため、Antutuは約30万点あるので、大概の人は満足いくことでしょう。

色は多色展開していて、若者向けを意識しています。なかなか、水色は好きですよ。いいですね。
付属品はコロナ対策と若者向け

付属品も充実しています。昨今のコロナの現状を踏まえ、ケースはAg+の抗菌効果により、繁殖を許しません。これは素直に嬉しい点です。

その他の付属品はシールですが、iPhoneの付属品のように欲しいと思えるほどではありません。子供のおもちゃのように感じます。こんなのをスマホにペタペタ貼る気持ちが分かりませんが、中国ではこういうのが人気なのかもしれません。シールはともかく、箱はかわいいので、こういうのもありかと思います。充電器は22.5wのものも付属しています。
もう既にGizTopで359ドルで販売開始!

Xiaomi Mi 10 Lite Zoomのグローバル発表はまだですが、中国版はすでに販売開始され、既にGizTopで販売開始されています。GizTopは販売開始直後にしては安い価格で端末を出してくれるので、すぐに手に入れたい方は重宝します。にしても、ペリスコープカメラを3万円台で出してくるなんて、Xiaomiの意表をついた戦略ですね。GizTopで359ドルとなっています。なお、送料も30ドルほどかかるのでご注意ください。

ちなみに、他社メーカーが軒並み4000元を超えていく、ペリスコープカメラ市場において、Xiaomiは最安で2099元からだしているので、価格破壊もいいところです。望遠が欲しい人にはぴったりのスマホとなっています。
対応バンドは、SoftBank以外のプラチナバンドを拾わず、なおかつ、5Gはn77非対応なので、SoftBankの5Gバンドを拾いません。その点は残念な点です。グローバル版もしくはMi 10 Liteがでているので、そのZoom版も日本で発売されるかもしれません。バンド対応が重要な方はそちらを待ったほうがいいでしょう。